TVアニメ『勇者刑に処す』のキャストを、物理的な声質(音域・共鳴・息・子音アタック・語尾)から整理します。
※ここでいう「色気/強さ/怖さ」は、呼気の残し方・共鳴の位置・語尾処理など“音の成分”として説明します(感想だけで終わらせません)。
【公式準拠】声優一覧(メイン+追加+関俊彦)
メインキャスト
- ザイロ・フォルバーツ:阿座上洋平
- テオリッタ:飯塚麻結
- パトーシェ・キヴィア:石上静香
- ドッタ・ルズラス:堀江 瞬
- ベネティム・レオプール:土岐隼一
- ノルガユ・センリッジ:上田燿司
- タツヤ:松岡禎丞
- ツァーヴ:福島 潤
- ジェイス・パーチラクト:千葉翔也
- ニーリィ:日笠陽子
- ライノー:中村悠一
- フレンシィ・マスティボルト:大西沙織
追加キャスト
- ブージャム:三木眞一郎
- シジ・バウ:杉本ゆう
関俊彦は何役?
- カフゼン・ダクローム:関俊彦
最短で“声の違い”がわかる聴き方(3ステップ)
① PV:声の素材(音域・共鳴・息)を掴む
PVは短尺で情報密度が高いので、地声の高さと共鳴(胸/喉奥/鼻腔)、息成分が拾いやすい。
② WEB予告:短文の処理(語尾・間・アタック)を聴く
短い台詞ほど差が出ます。子音の立ち上がり(アタック)と語尾の落とし方に注目。
③ 本編:初登場の「最初の一言」を基準音にする
初登場の最初の一言は、キャラの“基準音”(普段の高さ・テンポ・距離感)が出やすい。そこから感情変化を追うと迷子になりません。
声質マトリクス(改良版)|「中音」をさらに分解する
色の見方:
低音系
中低
中音
中高
/
息成分多め
ドライ(息少)
| キャラ(CV) | 音域の“型” | 共鳴 | 息成分 | 子音アタック | 語尾処理 | 短文で出る差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ザイロ(阿座上) | 中低×硬質 | 喉奥+胸寄り | 少 | 中(締まる) | 落とす | 短い返事が重い |
| テオリッタ(飯塚) | 中高×張り | 口腔前め | 中 | 強(跳ねる) | 揺れる/抜く | 語尾の薄さが出る |
| パトーシェ(石上) | 中音×金属感 | 口腔+前歯側 | 少 | 強(語頭が立つ) | 切る | 語頭で意志が出る |
| ドッタ(堀江) | 中音×鼻腔寄り | 鼻腔+口腔 | 中 | 中(滑舌強) | 止める/伸ばす | テンポ変化が速い |
| ベネティム(土岐) | 中音×柔らか | 口腔+息 | 多 | 弱〜中(丸い) | 整えて落とす | 丁寧な断言が刺さる |
| ノルガユ(上田) | 低音×倍音 | 胸寄り | 少 | 中(圧) | 落とす | 短い命令が強い |
| タツヤ(松岡) | 中音×張り→掠れ | 喉奥 | 中 | 強(前へ) | 落差 | 息切れが情報 |
| ツァーヴ(福島) | 中音×会話 | 口腔 | 中 | 中(軽快) | 切替 | 冗談→真顔の差 |
| ジェイス(千葉) | 中音×抑制 | 喉奥+口腔 | 少〜中 | 弱〜中 | 保留 | 語尾で距離が出る |
| ニーリィ(日笠) | 中低×芯 | 胸+口腔 | 少 | 強(断言) | 落とす | 静かな断言が効く |
| ライノー(中村) | 中低×滑らか | 口腔(丸い) | 少 | 弱〜中 | 温度切替 | 軽口→低い一言 |
| フレンシィ(大西) | 中音×透明 | 口腔前 | 中 | 中(整う) | 静かに落とす | 沈黙後の一言 |
| カフゼン(関) | 中低×明瞭 | 喉奥+口腔 | 少 | 中(言葉が立つ) | 余韻 | 語尾の抜きが効く |
| ブージャム(三木) | 中低×呼気 | 口腔+息 | 多 | 弱〜中(余裕) | 余白(間) | 短文の“間”が支配 |
| シジ・バウ(杉本) | 中音×自然 | 口腔 | 中 | 中(会話) | 会話的 | 受けの反応がリアル |
メイン5人(厚め)|この5人を掴むと聴き分けが一気に楽になる
ザイロ(阿座上洋平)|中低×硬質:語尾を“落とす”重さ
キャッチ(1行):息を盛らない中低音で、短い返事が重く聞こえる。
阿座上洋平さんのザイロは、喉奥寄りの中低音を基準に、語尾を落として「決める」印象を作ります。
ここでの“強さ”は感情語ではなく、語尾処理(落とす)と息成分の少なさ(ドライ)によるもの。息を混ぜないぶん、台詞が装飾されず、硬い現実のように前へ出ます。
- 音の成分:喉奥+胸寄り/ドライ/語尾落下型
- 聴くポイント:WEB予告の短い返事(「はい」「……」系)が特に分かりやすい
- 代表作(例):『機動戦士ガンダム 水星の魔女』『あんさんぶるスターズ!!』など
テオリッタ(飯塚麻結)|中高×張り:語尾が“薄くなる”変化
キャッチ(1行):張った中高音が、崩れる瞬間に一段薄くなる。
飯塚麻結さんのテオリッタは、口腔前めの共鳴で明るく張るのが基本。ただし感情が揺れると、声量ではなく響きの密度が少し落ちる(=薄くなる)瞬間が出ます。
ここを“可愛い”で終わらせず、物理的には共鳴の前後移動(前→少し奥)と語尾の抜きで距離感を作っていると捉えると、芝居が読めます。
- 音の成分:口腔前/張り/語尾が揺れる(抜く)
- 聴くポイント:短い命令口調→直後の語尾の処理(落とし切らない/少し抜く)
- 代表作(例):『CUE!』など
パトーシェ(石上静香)|中音×金属感:子音アタックで“意志”が立つ
キャッチ(1行):語頭の子音が立つ中音で、意志が音として伝わる。
ここで“意志が立つ”と言うのは、感想ではなく子音アタック(立ち上がり)の強さの話です。石上静香さんは、語頭の子音が前へ出る発声になりやすく、音の輪郭がくっきりする。
その結果、同じ中音でも“柔らかい中音”ではなく、少し金属的(硬質)に聞こえ、戦うキャラの説得力が出ます。
- 音の成分:口腔前+前歯側/ドライ/子音アタック強
- 聴くポイント:PVで語頭(最初の一音)を聴く→本編で会話の返しの硬さを見る
- 代表作(例):『魔法陣グルグル』『食戟のソーマ』『アークナイツ』など
ドッタ(堀江 瞬)|中音×鼻腔寄り:テンポ変化が“思考”に聞こえる
キャッチ(1行):鼻腔共鳴が混じる中音で、テンポ変化が大きい。
堀江 瞬さんは、声が高い低いというより、鼻腔が少し混じる響きと、状況によって変わる話速が特徴。早口でも滑舌が崩れにくいので、“焦り”が単なる乱れにならず、情報として成立します。
短文のやり取りほどテンポの差が見えやすいので、WEB予告が最適です。
- 音の成分:鼻腔+口腔/クリア/テンポ可変
- 聴くポイント:早口→一瞬止まる“間”が入る瞬間(決断前の息)
- 代表作(例):『僕の心のヤバイやつ』『原神』など
ベネティム(土岐隼一)|中音×呼気:丁寧な発音が“圧”になる
キャッチ(1行):呼気を含む中音で、丁寧な断言が刺さる。
“柔らかいのに刺さる”は抽象に見えますが、物理的には呼気(息成分)を語尾に残しつつ、言葉自体は明瞭に整えて落とすからです。
荒げない=弱い、ではなく、声量を上げずに言葉を整えたまま結論を置く。これが圧になります。
- 音の成分:口腔+呼気/息多め/語尾整える
- 聴くポイント:PVの穏やかな台詞(穏やかさの中に結論が置かれる)
- 代表作(例):『東京リベンジャーズ』『プロジェクトセカイ』など
コラム:同じ「中低音」でも別物|ザイロ(阿座上)とライノー(中村)の違い
どちらも「中低音」ですが、音の成分が違います。
- ザイロ(阿座上):喉奥寄り+硬質+ドライ → 語尾が落ち、台詞が“硬い現実”に聞こえる
- ライノー(中村):口腔寄り+滑らか+ドライ → 言葉が丸く流れ、温度切替で強者感が出る
つまり「低い=同じ」ではなく、共鳴位置(喉奥/口腔)と輪郭(硬い/滑らか)が違う。ここが分かると、聴き分けが一気に上達します。
中核5人(標準)|“場”を作る声の役割を音で理解する
ノルガユ(上田燿司)|低音×胸:短い命令が“重力”になる
キャッチ(1行):胸寄りの低音で、短い命令が強い。
上田燿司さんは、倍音が多い低音で、声量より密度で圧が出るタイプ。物理的には胸寄りの共鳴が効き、短文でも場が締まります。
- 音の成分:胸/低音/倍音多
- 聴くポイント:短い命令・注意の一言(予告が特に分かりやすい)
タツヤ(松岡禎丞)|中音×喉奥:張り→掠れで“消耗”が見える
キャッチ(1行):喉奥の張りが、追い込まれると掠れる。
松岡禎丞さんは熱量で押すだけではなく、物理的に喉の状態変化(掠れ・息切れ)を芝居に組み込める。強い台詞の後、声が戻りきらない瞬間が情報になります。
- 音の成分:喉奥/張り/掠れ
- 聴くポイント:強い台詞の直後の息(戻り方)
ツァーヴ(福島 潤)|中音×会話:語尾の落としで温度を変える
キャッチ(1行):会話的な中音で、語尾の落としが鋭い。
福島 潤さんは軽快なテンポが特徴。ただし“軽い”の物理は、声の高さではなく子音の軽さ・テンポ・語尾の処理です。冗談から真面目へ移るとき、語尾が急に落ちて温度が変わる。
- 音の成分:口腔/中音/テンポ速
- 聴くポイント:冗談の語尾→次の真面目台詞の落差
ジェイス(千葉翔也)|中音×抑制:語尾を“保留”して距離を作る
キャッチ(1行):抑制した中音で、語尾を落とし切らずに残す。
「沈黙が雄弁」と言いたくなる場面も、物理的には語尾の処理(落とさない)と、息の置き方です。言い切らない語尾=思考の余白が残る。WEB予告の短文ほど分かりやすい。
- 音の成分:喉奥+口腔/抑制/語尾保留
- 聴くポイント:短文の語尾(止め方・抜き方)
ニーリィ(日笠陽子)|中低×芯:声量ゼロでも“圧”が出る
キャッチ(1行):中低音の芯で、静かな断言が強い。
日笠陽子さんの強さは、声量ではなく芯(倍音)と語尾落下。断言が静かでも、結論が残る。叱責に労わりが混ざるときは、息成分が少し増えるなど“音の変化”が見えます。
- 音の成分:胸+口腔/中低/倍音
- 聴くポイント:静かな断言→余韻
コラム:呼気が作る“色気”とは何か(ブージャム/カフゼンの違い)
ここでの「色気」は主観ではなく、語尾に呼気が残るか/口腔の余韻が伸びるかという物理現象として扱います。
- ブージャム(三木):語尾に呼気を残し、余白(間)で主導権を取る → “余裕”が音として出る
- カフゼン(関):呼気は控えめで、発音が明瞭。語尾の抜きで“結論の怖さ”を残す → “権威”が音として出る
同じ中低音でも、息の残し方と語尾の止め方で、印象が別物になります。
残り5人(要点圧縮)|“差が出るポイントだけ”を素早く掴む
ここからはスマホの読みやすさを優先し、説明量を絞ります(重要ポイントは落としません)。
ライノー(中村悠一)|中低×滑らか:温度切替が聴きどころ
キャッチ(1行):滑らかな中低音で、軽口→低い一言の切替が速い。
- 音の成分:口腔寄り/ドライ/輪郭滑らか
- 聴くポイント:軽い台詞の直後、声の温度が落ちる瞬間
- 代表作(例):『呪術廻戦』『マクロスF』など
フレンシィ(大西沙織)|中音×透明:沈黙後の一言で芯が出る
キャッチ(1行):透明な中音で、静かな決意が輪郭を保つ。
- 音の成分:口腔前/クリア/語尾は静かに落ちる
- 聴くポイント:沈黙→一言(声を張らない場面)
- 代表作(例):『冴えカノ』『ウマ娘』『ダンまち』など
カフゼン(関俊彦)|中低×明瞭:語尾の抜きが怖さを作る
キャッチ(1行):発音が立つ中低音で、語尾の余韻が支配になる。
- 音の成分:明瞭/呼気少/語尾に余韻(抜き)
- 聴くポイント:短文の語尾処理(止めるのか、抜くのか)
- 代表作(例):『忍たま乱太郎』『鬼滅の刃』など
ブージャム(三木眞一郎)|中低×呼気:間で主導権を取る
キャッチ(1行):呼気を残す中低音で、短文でも“余白”が効く。
- 音の成分:息多め/語尾に呼気/間が長い
- 聴くポイント:短文後の“無音”が長いほど強い(余裕が出る)
- 代表作(例):『ポケモン』『ガンダム00』など
シジ・バウ(杉本ゆう)|中音×自然:受け芝居(返し)がリアル
キャッチ(1行):自然な中音で、返しの一言が“現場”になる。
- 音の成分:会話的/語尾ニュアンス細かい/作り込みすぎない
- 聴くポイント:相手の台詞を受けた反応(間・語尾の柔らかさ)
- 代表作(例):『名探偵コナン』『銀魂』など
最後に:このガイドの使い方(迷子防止)
- まず表で「共鳴・息・語尾」をざっくり掴む
- 次にメイン5人で“型”を覚える(硬質・張り・金属感・鼻腔・呼気)
- 最後に比較(阿座上×中村/三木×関)で差を確定する
参考リンク(最小限に集約)
- 公式:CHARACTER(CV一覧)
- 公式:MOVIE(PV/WEB予告/アフレコ収録記録)
- 公式NEWS:Behind the Scenes #1
- 公式NEWS:追加キャスト解禁
- 公式X:カフゼン(CV:関俊彦)告知
※声質の整理は「聴こえ方の分析」であり、測定値ではありません。キャスト情報は公式発表を優先し、記事冒頭の最終更新日を維持して追記してください。
執筆・構成:桐島 灯(きりしま・あかり)|アニメ文化ジャーナリスト・ストーリーテラー
公開方針:「作品を“理解する”ではなく、“感じる”評論」をテーマに、感情と物語を橋渡しする批評記事として執筆しています。


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