80年代を彩った怪盗アニメ『キャッツアイ』。しかし――その結末がアニメと漫画でまったく異なることをご存知でしょうか?
刑事としての正義と、恋人としての愛の狭間で揺れる俊夫。そして、父の行方を追い続ける三姉妹。物語のラストには、視聴者と読者の心を大きく揺さぶる「選択」が描かれています。
本記事では、『キャッツアイ』アニメ1期・2期の最終回ネタバレを紹介しつつ、漫画版との違いを対比しながら、三姉妹と俊夫の切なくも力強い結末に迫ります。
キャッツアイ アニメ1期・2期の最終回ネタバレ

1期最終回の展開と余韻
アニメ1期の最終回は、原作に登場するエピソードをアレンジしつつも、大きな“決着”を描くことはありませんでした。俊夫は依然としてキャッツを追い続け、三姉妹は父の謎に挑み続ける――視聴者に「この物語はまだ続いていく」と思わせるような幕引きです。
2期最終回「愛のカーテンコール…」が示す“もしも”の結末
2期の最終話タイトルは「愛のカーテンコール…」。ここでは劇中劇が用いられ、キャッツの正体が暴かれる“もしも”の展開が演出されました。実際の世界で俊夫が真実を知るわけではなく、観客(視聴者)に「彼が気づく日は来るのか?」と問いかける余韻を残して終わります。
この結末に対し、ファンの間では「夢オチに近い」「あえて答えを出さなかったことで余韻が深まった」と意見が分かれています。(mama-reco.com)
俊夫と三姉妹の関係はどう描かれたか
アニメでは、俊夫が瞳=キャッツであるという“核心”には触れませんでした。刑事としての職務と、恋人への愛情。その狭間で揺れる俊夫の姿は描かれたものの、最終的には曖昧なまま物語を締めくくっています。
つまり、アニメ版は「秘密を抱えたままの関係」を残し、未来を視聴者に委ねる終わり方だったのです。
キャッツアイ 漫画版の最終回と俊夫の選択

父・ミケールの謎と三姉妹の旅立ち
漫画版の最終回では、来生三姉妹の父・ミケールを陥れた「クラナッフ・シンジケート」との戦いに決着がつきます。組織は壊滅し、父をめぐる大きな謎に終止符が打たれる形となりました。
しかし、ミケール本人との再会は描かれず、彼の行方は曖昧なまま。読者に「その後」を想像させる余白を残して物語は幕を閉じます。(magmix.jp)
俊夫が下した“瞳=キャッツ”という真実の選択
アニメでは触れられなかった大きな違い――それは俊夫が瞳の正体を知っていたことです。恋人である瞳が、自らが追う怪盗キャッツの一員であると気づいた俊夫。それは刑事としての自分と、恋する男としての自分を引き裂く残酷な真実でした。
それでも俊夫は「瞳」を選びます。職務よりも愛を、正義よりも彼女の存在を大切にしたのです。この決断が、漫画版の最大のクライマックスであり、ファンの胸を強く打ちました。
まさに――「最後に俊夫が見つめたのは“恋人”か、それとも“怪盗”だったのか」という問いに答えを出した瞬間でした。
原作最終回の余韻と作者の想い
作者・北条司はインタビューで「キャッツアイはこれ以上続編を描く予定はない」と語っています。物語の結末を曖昧にしながらも、俊夫と瞳の愛情の選択を描いたことで、彼らの未来を読者の心に託したのです。(magmix.jp)
アニメが“余韻”で終わったのに対し、漫画は“決断”を描いた――そのコントラストが、同じ『キャッツアイ』でありながら大きく印象を変えているといえるでしょう。
漫画後日譚で描かれた衝撃の展開

瞳の記憶喪失という試練
漫画連載終了後、描かれた後日譚では衝撃の展開が待っていました。なんと、瞳が病に倒れ、過去の記憶を失ってしまうのです。キャッツとしての活動も、俊夫との愛も――すべて忘れてしまった瞳。
この瞬間、二人の関係はゼロに戻ってしまったかのように見えました。ファンにとってもあまりに切なく、残酷な展開でした。(MovieWalker Press)
俊夫の「もう一度恋をする」という決意
しかし俊夫は絶望に沈むのではなく、新しい決意を胸に抱きます。「たとえ彼女がすべてを忘れてしまっても、もう一度恋をすればいい」と。刑事としての正義や過去の絆を超えて、俊夫は再び瞳と向き合おうとするのです。
それは、失われた愛を取り戻すというよりも、もう一度“最初から愛を育て直す”という覚悟でした。読者の胸を熱くさせる、静かで力強いシーンです。
三姉妹の未来を読者に委ねたラスト
この後日譚でも、三姉妹や父・ミケールの未来が具体的に語られることはありませんでした。むしろ物語は「未完」のように終わり、彼女たちの絆や俊夫との関係をどう想像するかは読者の自由に委ねられています。
――「キャッツアイの結末は、あなた自身の心の中にある。」そんな作者からのメッセージが込められた余韻ともいえるでしょう。
キャッツアイ アニメと漫画の結末を比較

俊夫が真実を知るかどうかの違い
アニメ版と漫画版で最も大きな違いは、俊夫が瞳の正体を知るかどうかにあります。アニメでは最後まで彼は気づかず、視聴者に余韻を残して幕を下ろしました。一方、漫画では俊夫が真実を知り、恋人として彼女を選ぶという決断を描いています。
「余韻」と「決断」――この対比が、アニメと漫画の結末の印象を大きく分けています。
三姉妹の運命に描かれた差異
アニメでは父の行方や三姉妹の未来は描かれず、物語は途中で幕を下ろしたかのように終わります。対して漫画は、敵組織との決着を描き、三姉妹が新たな生活に向かう未来を示しました。
「父を追う物語」が「平穏へと向かう物語」へと変わった瞬間でもありました。
アニメが選んだ「余韻」と漫画が選んだ「決断」
アニメはあえてすべてを語らず、三姉妹と俊夫の関係を未来へ託しました。観客は「彼らはどうなるのだろう」と想像を膨らませる余地を持ち続けることになります。
一方、漫画は俊夫の選択を描き切り、「真実を知った上で愛を選ぶ」という結末を明確に示しました。それは読者に強い感情を残し、物語を永遠に心に刻むラストとなったのです。
――アニメは“夢”で幕を閉じ、漫画は“現実”で涙を誘った。この違いが、『キャッツアイ』という作品を二重の魅力で語り継がせているのではないでしょうか。
キャッツアイ アニメ1期・2期と漫画の結末まとめ
『キャッツアイ』は、アニメと漫画で異なる結末を描きました。
- アニメ版1期・2期最終回:俊夫は瞳の正体に気づかないまま、余韻を残して幕を閉じる。
- 漫画版最終回:俊夫は瞳=キャッツである真実を知り、それでも彼女を選ぶという決断を下す。
- 漫画後日譚:瞳が記憶を失う悲劇が訪れるが、俊夫は「もう一度恋をする」と誓う。
アニメが描いたのは、まるで永遠に続くかのような“夢の余韻”。俊夫と三姉妹の追走劇は終わらず、未来を想像する楽しみを残しました。
一方、漫画が示したのは、時に残酷でありながらも「真実の愛を選ぶ決断の尊さ」。俊夫が瞳=キャッツであると知り、それでも彼女を選ぶ姿は、多くの読者の胸を打ちました。
キャッツアイの物語は、盗みや謎解きの枠を超え、“愛と秘密の間で揺れる人間の心”そのものを描いていたのです。――そして、そのラストシーンは、いまも私たちの心の奥で生き続けています。
よくある質問(FAQ)
キャッツアイのアニメ最終回は何話ですか?
アニメ1期は36話、2期は37話で最終回を迎えます。2期最終回「愛のカーテンコール…」では、劇中劇を通じてキャッツの正体が暴かれる“もしも”が描かれ、余韻を残して物語が締めくくられました。
俊夫は瞳の正体を最後に知ったのですか?
アニメ版では俊夫は瞳の正体を知りません。しかし、漫画版では俊夫が瞳=キャッツであることを知り、それでも彼女を選ぶという結末が描かれています。
キャッツアイの父・ミケールはどうなったのですか?
漫画版では、父を陥れた敵組織の壊滅が描かれるものの、ミケール本人との再会は描かれていません。アニメ版でも父の行方は描かれず、物語は未解決のまま終わります。
漫画後日譚ではどんなラストが描かれましたか?
瞳が病に倒れ記憶を失うという衝撃の展開が描かれます。俊夫は「もう一度恋をすればいい」と誓い、愛をやり直そうとする決意を示しました。
情報ソース一覧
本記事の情報は以下の公式・権威あるメディアを参照しました。
- Wikipedia|キャッツ・アイ
- マグミクス|『キャッツ・アイ』瞳と俊夫の関係性はどう終わった?
- MovieWalker Press|北条司インタビュー
- mama-reco.com|キャッツアイのアニメ最終回はどうなった?
- Yahoo!知恵袋|キャッツアイ最終回考察
※アニメ・漫画の結末については公式資料および作者インタビューを優先し、ファン考察は参考程度に扱っています。
ライター:神埼 葉(かんざき よう)
『キャッツアイ』を振り返ると、ただの怪盗ものではなく「人が人を想う気持ち」が根底に流れていたことを改めて感じます。
この記事を読んでくださったあなたの心にも、キャッツアイの物語が少しでも温かく響いていたら嬉しいです。
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